これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
おかしい。
これはなんとも世にも奇妙な並び順だ。
高田さん、三好くん、私、勝吾くんだと。
勝吾くんは眠ってしまっているし、高田さんはスマホばかり触っている。
だから必然的にも私たちだけが“今”という時間を生きている感じだ。
「あ、でもちょっとだけスカート濡れちゃったかも…」
「…貸して」
「わ、」
スローペースで拭いている私からハンカチを奪った彼は、トントンとスカートを軽く叩くように拭いてくれる。
これは……まずい。
確かに高田さんはずっとスマートフォンを操作しているけれど、真隣なんだから気づくに決まってる。
だからダメ、やめて───、
と言えないなかでも、なんとか制するように手で伝える……けど。
「あ…っ」
同じタイミングでドドーーン!!と劇場いっぱいに響き渡った効果音に、ギリギリを助けられた。
私が抵抗する動きを許さないように掴まれた手。
その熱さに、つい声が出てしまう。
「こうなるから。でもなったのは、こぼしちゃったセンパイのせい」
「……はい」