これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
「グッとー、パーで、わっかれましょ!」
高田さんの合図に4人がそれぞれ出したものは、グーが2人、パーが2人。
映画館のあとは、その横にあるゲームセンター。
ダブルデートっぽいからと乗り気だったのは、高田さんただひとりだった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
1回でチームが決まってしまった安心以上に、その分かれたメンツを見て誰もが言葉を止める。
ちんもく、沈黙、ちんもく。
そしてここでも高田さんが空気をまず初めに打破してきた。
「よっろしくねえ~、谷先輩っ」
「あ、おう」
グーチーム、高田さんと勝吾くん。
パーチーム、三好くんと私。
神様はたぶん、高い高い場所から遊んでいるに違いない。
でも私たち、じゃんけんで勝ったね。
この“ゲーム”は、ぜったい勝てるんだ。
「センパイ、そろそろ本気出しましょうよ俺たちも」
「がっでむ」
「…キャラ変でもした?」
「あっ、さっきすれ違った高校生が使ってたから……ちょっと言ってみたくて」