これが恋だなんて、知らなかったんだよ。




本物を忠実に再現したシート、ハンドル、ブレーキにアクセル。

ちょうど4つ並んだレーシングゲームはチーム戦となって。



「そーいうとこは影響されやすいタイプか」



またまた私の隣に座った三好くんは、どこか楽しげに笑った。



「センパイ、ブレーキ使うってよりはアクセルで調整するイメージね」


「えっと、あ…、うん」


「……大丈夫?なんかすごい震えてるけど、足と手」


「…なにせこういうものは初めてなもので…」



すごい…、

お金を入れただけでシートやハンドルがブルブル振動されるなんて。


ゲームセンターを知らないとか、そんなお嬢様脳をしているわけではないけれど。


いつも入るとしても、ともちゃんとプリクラを撮るくらいで、正直この賑やかさは苦手だった。

クレーンゲームとかも見ているだけで満足する人間だし、自分にはできるわけもないって諦めちゃって。


だから今日は、こういう場所に三好くんと来ること含めて私にとっての初めてだ。



「どうしよう三好くん…!ぜんぜん進んでくれない!」


「え?……ちょっ、ははっ!」



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