これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
器用にハンドル操作しながらも目を向けたチームメイトは、すばやく2度見してから吹き出した。
もっと見たかった、いまの顔…。
でもそれどころじゃない絶望的なタイミングで見せてきた三好くんも三好くんだ。
「それね、センパイが踏んでるのね、ブレーキって言うから」
「え…、ええっ!?逆…!?」
なんか大きいからアクセルなんだろうなあ…と。
なんとブレーキでした。
「あと両足揃えて踏む人間なんてセンパイくらいでしょ」
「あっ、片足だけでいいんだ…!」
「なるほど1対2ね、りょーかい」
「まって三好くんっ、私も頑張るから…!」
とりあえず私は将来は車の運転だけはしないほうがいいかもしれない。
しないほうがいいかもしれない、じゃない。
するべき、じゃ、ない。
「三好くんっ、景色きれいだよ!あっちに湖みたいなところがあるね!」
「……どう?ドライブ楽しい?」
「すごく!……あっ、順位は…今のところ最下位、なのですが」
「ちなみに俺たち2週目だから。センパイは?」
「……1週目、です」