カラダダケの関係に依存していた私の話
激白
あの出来事から少しして、Nから映画に誘われた。
同じシリーズが好きな私たちは、新作が公開されると、決まって近くの映画館に一緒に見に行った。
当日チケット売り場で彼が選んだのは、1番早い時間帯のものだった。
「あれ、珍しいじゃん」
いつもだったら、なるべく遅い時間帯のものを
選び、始まるまでカラオケやカフェに行くのが
お決まり。
「まあ、たまにはね」
それ以上は何も言われなかった。
不思議に思いながらも、ポテトとコーラという
毎度の組み合わせで映画を楽しんだ。
「いやー、今回も最高だったね。
最後に次回作の予告入れてくるってほんとずるくない?
見るしかないじゃん」
「だよな。楽しみすぎる」
「また一緒に行こうね」
「おう」
「この後どうする?」
優柔不断な私は彼との付き合いの中で、何かを決めることなんてほとんどなかった。