38年前に別れた君に伝えたいこと
「私、勘が鋭いの、彼の子供の頃からのアルバムを見てて、その写真だけに違和感を感じた、きっと付き合ってた彼女が撮ったんだろうなって」
「・・・・」
「彼の視線の先には貴女がいたのね」
「すみません、、」
「別に怒ってないわ、こんなに優しい目をした彼を、私もあまり見た事ないから。彼の表情を見ただけで、貴女の事をどれだけ好きだったかが分かるわ」
彼の若い時の写真を見て、また思い出してしまう、
圭くん、、
もう一度あの頃に戻りたい、、
あなただけを見てた、、あなただけを愛してた、
あなたと同じ未来を思い描いていたあの頃に、、、
あんなに私のことを思っていてくれたのに。
何故私は"さよなら"を選んでしまったんだろう。
遺影に手を合わせて祈った。
「高瀬さん、私に謝る為だけに来たわけじゃないでしょ?」
ドキっとした。やはり、奥さんは勘が鋭い。
「圭ちゃんの事、もっと知りたかった?」
もう隠し通せない気がした、
「・・・はい、
私と別れてからの圭くんの人生を知りたくて、、」
「やっぱり、高瀬さんはまだ圭ちゃんの事が好きだよね?」
本音を言うべきか、、どうか
「はい!、大好きです」
言ってしまった。