再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
あの日から10日。
とうとう約束の日になった。
朝7時に駅で待ち合わせをし、私は10分前にロータリーで待っていた。
すると私の目の前に白のRV車が止まった。窓が開き、夏目さんが顔をのぞかせる。
「おはよう。さ、乗って」
「おはようございます」
私は声をかけると助手席のドアを開け、乗り込んだ。
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ」
シートベルトを締めたのを確認すると、彼はウインカーを出し車を発進させた。
柑橘系のさっぱりとした香りが彼の印象とよく似合う。車内も綺麗で、まめに手入れしているように感じた。
「いい天気でよかったよ。山梨はこっちよりも気温が低いみたいだけど、秋晴れで行楽日和だな」
「そうみたいですね」
彼の隣に座るだけでドキドキしてしまい話が続かない。いつものようにみんながいないと何を話したらいいのか悩んでしまう。この前はお酒を飲んだ後だったし、夜中だったからノリであんなに話せたのかもしれないと思うと急に焦ってしまう。今日1日大丈夫かと不安がよぎる。
けれどそんな不安を打ち消してくれるように夏目さんは話しかけてくれ、場を和ませてくれた。彼のもともと持っている性格なのか、ゆったりとした落ち着きのある雰囲気に私もいつのまにか緊張がほぐれていった。
「コーヒー飲みませんか?」
「え? ああ。そろそろパーキングに寄ろうか」
「いえ。コーヒー淹れてきたんです」
そう言うと、私はバッグの中からタンブラーを取り出した。保温効果のあるタンブラーを保温バッグに入れていたのでまだ熱いはず。
ホルダーにタンブラーを置くと蓋を外した。いい香りが車内に充満する。
「夏目さんはブラックですよね?」
「あぁ、ありがとう」
自分のタンブラーにはカフェオレを入れてきた。でも彼はいつもブラックだったのでなにも入れずに持ってきた。
「いただきます」
「あ、まだ熱いかもしれないので気をつけて」
「のどかちゃんじゃないから大丈夫」
この前勢いよく飲んだことをからかってそんなことを言う。まだ覚えていたなんてちょっと意地悪だ。
「私だっていつもはあんなことしません」
プイッと窓の外に目を向けると、クスッと笑い声が聞こえた。
「どちらかと言うとお姉さんキャラのしっかりものに見えるんだけど、本当ののどかちゃんってちょっと名前の通りのどかだよな」
「え?」
「紗衣ちゃんといるとのどかちゃんってお姉さんだな、と思うんだけど実は紗衣ちゃんに仕切られてるんだよ。紗衣ちゃんは良くも悪くも妹キャラでみんなをうまく転がしてるって感じ」
紗衣ちゃんっていい子だし、見た目も可愛いからなんでも言うこと聞いてあげちゃいたくなるんだよね。それが妹キャラだと言われると納得してしまう。私を慕ってくれてるのを感じるからこそ余計だ。彼女に頼まれると断れないのも事実。でも決して嫌ではない。
「紗衣ちゃんって憎めない可愛さがあるんですよね」
「そうだな」
夏目さんが紗衣ちゃんをそんなふうに見ているって思うと胸の奥がチクっとした。
けれどその後につながる言葉がドキドキしてどうしていいのかわからなくなり、無意識に手をぎゅっと握りしめてしまった。
とうとう約束の日になった。
朝7時に駅で待ち合わせをし、私は10分前にロータリーで待っていた。
すると私の目の前に白のRV車が止まった。窓が開き、夏目さんが顔をのぞかせる。
「おはよう。さ、乗って」
「おはようございます」
私は声をかけると助手席のドアを開け、乗り込んだ。
「今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ」
シートベルトを締めたのを確認すると、彼はウインカーを出し車を発進させた。
柑橘系のさっぱりとした香りが彼の印象とよく似合う。車内も綺麗で、まめに手入れしているように感じた。
「いい天気でよかったよ。山梨はこっちよりも気温が低いみたいだけど、秋晴れで行楽日和だな」
「そうみたいですね」
彼の隣に座るだけでドキドキしてしまい話が続かない。いつものようにみんながいないと何を話したらいいのか悩んでしまう。この前はお酒を飲んだ後だったし、夜中だったからノリであんなに話せたのかもしれないと思うと急に焦ってしまう。今日1日大丈夫かと不安がよぎる。
けれどそんな不安を打ち消してくれるように夏目さんは話しかけてくれ、場を和ませてくれた。彼のもともと持っている性格なのか、ゆったりとした落ち着きのある雰囲気に私もいつのまにか緊張がほぐれていった。
「コーヒー飲みませんか?」
「え? ああ。そろそろパーキングに寄ろうか」
「いえ。コーヒー淹れてきたんです」
そう言うと、私はバッグの中からタンブラーを取り出した。保温効果のあるタンブラーを保温バッグに入れていたのでまだ熱いはず。
ホルダーにタンブラーを置くと蓋を外した。いい香りが車内に充満する。
「夏目さんはブラックですよね?」
「あぁ、ありがとう」
自分のタンブラーにはカフェオレを入れてきた。でも彼はいつもブラックだったのでなにも入れずに持ってきた。
「いただきます」
「あ、まだ熱いかもしれないので気をつけて」
「のどかちゃんじゃないから大丈夫」
この前勢いよく飲んだことをからかってそんなことを言う。まだ覚えていたなんてちょっと意地悪だ。
「私だっていつもはあんなことしません」
プイッと窓の外に目を向けると、クスッと笑い声が聞こえた。
「どちらかと言うとお姉さんキャラのしっかりものに見えるんだけど、本当ののどかちゃんってちょっと名前の通りのどかだよな」
「え?」
「紗衣ちゃんといるとのどかちゃんってお姉さんだな、と思うんだけど実は紗衣ちゃんに仕切られてるんだよ。紗衣ちゃんは良くも悪くも妹キャラでみんなをうまく転がしてるって感じ」
紗衣ちゃんっていい子だし、見た目も可愛いからなんでも言うこと聞いてあげちゃいたくなるんだよね。それが妹キャラだと言われると納得してしまう。私を慕ってくれてるのを感じるからこそ余計だ。彼女に頼まれると断れないのも事実。でも決して嫌ではない。
「紗衣ちゃんって憎めない可愛さがあるんですよね」
「そうだな」
夏目さんが紗衣ちゃんをそんなふうに見ているって思うと胸の奥がチクっとした。
けれどその後につながる言葉がドキドキしてどうしていいのかわからなくなり、無意識に手をぎゅっと握りしめてしまった。