再会から始まる両片思い〜救命士の彼は彼女の心をつかまえたい〜
湖に着くとやはり東京よりも空気が冷たく感じる。
けれど喉を通る清々しさがきもちいい。
うーん、と大きく伸びをすると隣で夏目さんも伸びをしていた。

「空気が上手いな」

「本当。久しぶりに遠出しました。やっぱり東京から離れると空気が違いますね」

秋の少し冷たい。でも澄んだ空気を体いっぱいに吸い込むと胸の奥までなんだかスッキリする。
私たちは予約していたショップに行き、準備をした。
私は水着の上にショートパンツ、レギンス、ラッシュガードを着るとロッカーを出た。
外のベンチにはすでに着替え終わった夏目さんがいて、私服とも制服とも違う彼の姿にドキドキした。
彼もラッシュガードにハーフパンツを履いていたが引き締まった身体が何とも言えず色気を感じさせる。私に気がついた彼は片手を上げ、合図してくれるが周りにいた女の子たちの視線が私に集まるのを感じる。彼の隣に立つ相手を見定めたいのだろう。
そんな彼女たちから感じる視線はちょっと残念なものだった。がっかりしたと言わんばかりの雰囲気を感じた。彼の隣に立つには相応しくないと思われたのだろう。

俯き気味に彼のそばまで足を進めると、彼は立ち上がり、私の肩にかけていた荷物をさっと持ってくれる。

「俺のと一緒に預けよう」

頷くと彼はそのまま荷物を受付に持って行ってくれた。
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