もう、オレのものだから〜質実剛健な警察官は、彼女を手放さない〜
【side葉菜】
並大抵の覚悟じゃ追いつかないって言ってたけど、どうしたらいいんだろう……⁉︎
翌日の午前十時半。
志貴くんの帰宅まで恐らくあともう少し。私は彼のベッドの上で正座をして、頭を悩ませていた。
朝昼兼用のご飯の用意はできた。
焼き鮭にだし巻き玉子、にんじんの白和えにお味噌汁。白米もすでに炊けている。
お風呂ももうすぐ沸くはずだ。
第二当番明けの志貴くんをもてなす用意はばっちり出来ている。
……だけどただ一つ。並大抵じゃない覚悟だけが、用意できていなかった。
そして私がギリギリまで頭を悩ませた結果思いついたのが、いつも誘われても恥ずかしいという理由で一度も首を縦に振ったことのない【一緒にお風呂】というかなりの覚悟をもった提案だったのだけど── …。
「── …葉菜……」
羞恥を感じられたのは、浴室に入るまでだった。
抱き合ったまま二人でシャワーを浴ながら、低く掠れた声が私の名前を紡ぐ。
それだけで背筋を甘い痺れが駆け抜けるのに、唇が胸を、指が下腹部を、容赦なく責めてくる。
「……ね……ぇ、し、きく……、んっ……、まっ、て……っ、あっ……」
喘ぐ合間に訴える。
だけど。
「……っ、オレは、あなたを前にすると待てが効かないんだ。行儀の悪い犬ですまないが」
「ああ……っ」
自らをお行儀の悪い犬と揶揄した彼は、私の下腹部の敏感な部分を撫でるように、擦りあげるように触っていた指をついに奥へと侵入させた。
私の上げた嬌声に煽られるように切なげに表情を歪ませて熱い吐息を吐いた彼の色気は凄まじく、それだけで私の下腹部はきゅんと締まる。
それに今度はふ、と志貴くんが妖艶な笑みを漏らした。
「……締まったな」
「……言わないで……」
下腹部からの水音と、もはや抑えの効かなくなった嬌声がシャワーの音と絡み合う。
上と下を同時に責められてしまっては立っていることもままならず、彼の身体にすがりつく。
すると指が増やされもっと奥までねじ込まれ、中を掻き乱された。私の気持ちいいところはすでに知り尽くされてしまっている。
そこを的確に擦られながら指の動きを早められてしまえば、もう一気に高みまで駆け上がるしかない。