敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「大使館に勤務しているんだ。今日はオフだけど」
「大使館……?」
予想外の言葉に、目を瞬かせる。
「そうか、あれ以来、美来には一度も会っていないから知るわけないな。俺、おかげさまで念願だった外務省職員になれたんだ。今はここマドリードにある、在スペイン日本国大使館で日本企業の海外進出を支援する仕事に従事してる。といっても、二カ月後にはまた霞が関の本省に帰るけど」
「すごい! じゃあ、夢を叶えたのね!」
城後都市開発の御曹司、しかも長男でありながら外交官になりたいという夢を追っていいのかと、過去の彼は悩んでいた。
でも、敷かれたレールより自分が本当にやりたかったことを選んだのだ。私の目指す生き方を実践している彼が、キラキラ輝いて見える。
「美来は? さっき旅行と言っていたけど、普段はなにをしてるんだ?」
「私は……」
久々の再会とあって、どこから話そうかと考えるだけで頭がパンクしそうになる。
こんなところで立ち話をするより、どこかお店に入ってゆっくり腰を落ち着けたい。