敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「叶多くん、お休みなら時間ある? 助けてもらったお礼もしたいし、お茶でも飲みながら話したいな」
「ナンパされて困っていたくせに、今度は自分から別の男をナンパか?」
「べっ、別にそういうわけじゃ……!」
そう言われると、急に恥ずかしくなる。
懐かしい再会につい舞い上がってしまったけれど、こんなに素敵な叶多くんだもの、奥さんや恋人がいる可能性もあるし、迷惑だったかもしれない。
思わずうつむいて地面を眺めていると、頭の上にポンと大きな手がのった。
「いいよ、今日は予定がなくて、のんびり街歩きを楽しんでいたところだ」
優しい声に、パッと顔を上げる。
「本当? 彼女や奥さんに怒られるんじゃ……」
「いたら誘いに乗らないよ。それに、怒られるとしたらお互いの父親にじゃないか? 俺たち、会うことも連絡を取り合うことも禁じられていただろう」
叶多くんがふっと苦笑する。
確かに、私たちは親同士の確執に巻き込まれて今の今まで絶縁状態だったのだ。
初対面だったあのパーティーでも、本当はもっと彼と話したかったのに……。