敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「それ、だめっ……」
「知ってる。……あの夜に全部探し当てたんだ、美来の感じるところは」

 きっと、スペインでの濃密な一夜のことを言っているのだろう。

 全部だなんて嘘だと思う反面、彼の思惑通りに啼かされて、めちゃくちゃにされて……結局、最後には単純なこの気持ちしか残らない。

「叶多くん、好き、愛してる……っ」
「わかってるか? 美来……その言葉、なにより俺を煽る媚薬なんだって……っ」

 体の中で、叶多くんがドクドク脈打つのを感じる。彼も私と同じ気持ちなんだと感じて、幸福で胸が詰まる。

 心と体がひとつになって、全身が甘く痺れる。

 逃げているだけではダメだと頭ではわかっている。だけど今だけはこうして、叶多くんという檻に守られていたい。

 私たちはその日、そして翌日も、食事やトイレ、シャワー以外は昼夜の境なくほとんどベッドの上にいた。

 叶多くんの弟さんがクローゼットの中にたくさんの衣類を用意してくれていたし、食べ物や生活必需品はコンシェルジュに頼めば調達することができた。

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