敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「ああ、誤解させるようなことを言ったな。完全に閉じ込めているわけじゃないし、外出しようと思えばできる環境だ」
「よかった……」
「一瞬、俺を危険なヤツだと思っただろ」

 本気で安堵しているらしいホルヘを、じろりと睨みつける。

「思った。誰からも好かれる有能で公平な外交官は仮の姿で、自国では恋人を虐げるとんでもない暴君なのかと」
「やめてくれ。むしろ、守りたいからこその措置だ。俺たちの関係自体にはなんの問題もないが、日本には敵が多くてね」
「敵?」

 藤間清十郎はもちろんのこと、美来の両親のことも説得しなければならない。

 それには、お互いの父親同士の因縁について、詳しく知らなければならないだろう。

 俺と美来が出会ったあのパーティーでどうして父と八束社長と仲違いし、ホテル計画が白紙になってしまったのかを。

 今、弟に頼んで探りを入れてもらっているところだが、仕事で多忙な彼に頼りきりでは申し訳ないので、帰国したらもちろん自分自身で動くつもりだ。

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