敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「ブラーボ、叶多が惚れ込むのもわかる、素敵な女性だね」
「俺のだからやらないぞ」
「馬鹿言わないでくれ。浮気なんかしたらダミアンに殴られちゃうよ」
大袈裟に両手を振って怯えたそぶりをするホルヘがおかしくて、くすくすと笑う。
ダミアンこそが、彼の婚約者。カタルーニャ州のバルセロナで仕事をしているので今はそちらに住まいがあるが、結婚したらマドリードで一緒に暮らす予定だそうだ。
「今日、俺と酒を飲むってちゃんと伝えてあるか?」
「もちろん。カナタのことは彼も信頼してるから大丈夫」
「そうは言っても、意外と寂しがってるかもしれないぞ。美来がいつもそうなんだ。離れた土地にいる俺に気を遣って、すぐ強がりを言う」
素直に甘えてくれることもあるが、そうじゃない時の方が多い。
あのがらんとしたマンションにひとりでいて、寂しくないわけがないのに……。
「わかった。ちょっとダミアンに電話してみるよ」
「それがいい。俺は帰るよ、明日のパーティーには敵のひとりがくるから、気を張らなきゃいけないしな」
「¡Buena suerte!(頑張って)」