敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「藤間さん……お久しぶりですね」
「これはこれは城後さん。その節は、美来がご迷惑をおかけしています。彼女ときたら、未だにあなたとの恋愛ごっこに熱を上げているようですね。節操のない許嫁で申し訳ありません。」
「恋愛ごっこ……?」
つまらない挑発だと理解しつつも、苛立ちを抑えきれずに聞き返した。藤間は勝ち誇ったように鼻を鳴らして笑う。
「だってそうでしょう? 海外での情熱的な逢瀬も、あんな風に結納をぶち壊して彼女をさらうのも、わざとらしいほど芝居じみています。それも、かなり退屈なお芝居です」
藤間清十郎という男は、人の神経を逆撫でする能力に長けているらしい。
彼のペースに流されるつもりはないが、静かに反論する。
「言ってくれますね。空港で下手なお芝居を演じたのはあなたの方ではなかったですか?」
「下手で結構。単純な美来のことは騙せたので目的は達成しています」
「今は彼女の居場所もわからないのに?」
「それは、城後さんがコソコソ隠しているからでしょう。……美来はどこにいるんです?」