敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「海外旅行先やこうしたパーティーで色々な国の人たちに接していると、ほとんどの人が、友好的で親切だ。考え方は様々であるにしろ、住んでいる国や肌の色、文化の違いから争おうとする人になんて、滅多に出会わない」
「確かにそうね」
「だけどそれはあくまで個人同士だからで、国家間という括りにしてしまうと、話が違ってくる。平和に見える日本だって、いくつかの国と緊張状態にあるだろう? 俺は、そのことがとても悲しいんだ。歴史的背景や経済的な摩擦、要因は色々あるにしろ、その国に住む一人ひとりを見れば、誰も争いたいなんて思っていないのに。だから……」
叶多くんの言葉は私も折に触れて考えることであり、胸に重たくのしかかった。
私たちがこうして豪華絢爛なパーティーに参加している間も、どこかの国同士は戦争をしている。街や住宅を破壊され、平和に暮らしたい民間人が、犠牲になっている。
今は平和な国々も、いつまでそれが保てるかわからない。
もちろん、保とうとする努力を続けなければいけないのは、大前提だけれど。