敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

 帰宅すると私はとにかくリビングで寛いでいるように指示され、叶多くんはてきぱきとスペインから持ち帰った荷物を片付けていた。

 お茶でも淹れようかとソファから立ち上がると目ざとく彼がやってきて、「美来は座ってろ」と再び座らされてしまう。

 いくらなんでも過保護だ。

「ねえ、私にもなにかさせてよ」
「いいからそこにいて。渡したい土産がある」
「お土産?」

 我ながら現金なもので、わかりやすく表情が明るくなった。

 楽しみだな、なにを買ってきてくれたんだろう。

 ソファの後ろでスーツケースを探っていた叶多くんは、後ろ手になにか隠して私のもとにやってくる。

「見たい?」
「もちろん。もったいぶらないで早く見せて―――」

 言い終わる前に、鼻先でひゅっと風を切るがする。

 驚いて瞬きを繰り返す私の目の前には、銀色に光る剣の切っ先が突きつけられていた。

 なんでこんな物騒なもの……。そう思いかけて、ふと思い出す。

 二カ月前に彼と訪れたトレドの街で、興奮気味に剣を欲しがった自分の姿を。

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