敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「もしかして、トレドの武器屋さんで買ったの……?」
「正解。スーツケースにこんなもの入れて飛行機に乗れるか心配だったよ」

 叶多くんはクスクス笑って剣を鞘に納める。私は胸に手を当てて、ホッと息をついた。

「あぁびっくりした。妊婦の私になんたる所業?って、驚いちゃったじゃない」
「トレドで美来が武器を欲しがってたのを思い出してさ」
「でも、あの時は買うのを反対していたのに」
「そりゃ、剣なんかぶら下げてたらデートの甘い雰囲気が台無しだからな」

 悪戯っぽく笑った彼が、隣に腰を下ろす。まさかのお土産には驚いたけれど、私との会話を覚えていてくれたのが嬉しい。

「素敵なお土産をありがとう」
「それはおまけだよ」
「えっ?」
「本物はこっちだ」

 微笑んだ彼が突然私の左手を取り、いつの間にか右手に持っていた指輪を嵌めようとしている。

 V字ラインの華奢なプラチナリングの中央ではダイヤモンドが優美に輝いていて、まさかこれは……と思いつつも、驚きすぎて言葉が出ない。

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