敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
まずふたり分のコーヒー、そして最後にシナモンロールの皿がテーブルに置かれた。
グレーズのたっぷりかかったシナモンロールの横にはバニラアイスとミントが添えてあり、見ただけでも心が弾んだ。
「美味しそう……!」
「誰が誰にお礼するんだっけ?」
向かい側で頬杖をつく叶多くんが、意地悪な笑みを浮かべる。
「えっ? だって叶多くんがコーヒーだけでいいって言うから」
「冗談だよ。俺は美来の嬉しそうな顔を見れただけで満足」
「そ、そう……」
見た目も言動もすっかり大人の男性になってしまった叶多くんに、いちいちどぎまぎしてしまう。
お洒落なカフェの店内を背景にしてコーヒーカップに口をつける姿も、雑誌のモデルのように綺麗だ。奥さんや恋人はいないと言っていたけれど、さぞ女性からモテるに違いない。
彼を盗み見しながらぱくっとシナモンロールを口に入れると、焼き立てで蕩ける生地の食感と舌の上いっぱいに広がる甘さに思わず笑顔になった。
「ん~……! 最高!」
思わず目を閉じ、ゆっくり咀嚼して味わう。すると向かい側でカシャッと、カメラのシャッター音が鳴った。
驚いて目を開けると、叶多くんが私にスマホのカメラを向けている。