敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「えっ? まさか今の……」
「いいだろ? 再会した記念」
「ちょ、ちょっと消して……っ」

 思わず彼のスマホに手を伸ばしたら、反対の手でガードされ、指同士をするんと絡められる。テーブルの上で手を握り合うような格好になり、ドキッと胸が鳴る。

 手を繋いで歩くのも恥ずかしかったけれど、これはさらに恋人っぽい行動のような……。

「こうしていれば、許嫁の男を牽制できるんじゃないか?」
「えっと、だから、日本からスペインって、そんなにすぐ来れる距離じゃ……」

 頬に熱が集まり、しどろもどろになる。叶多くんはクスッと笑うと、握り合った手の指を動かして私の手をすりすりと撫でる。くすぐったいし恥ずかしいしで、ますます顔が熱くなっていく。

「もしかして、男に手を握られること自体、俺が初めて?」
「……察しがついているならあまりからかわないで」

 ジロッと彼を睨みつけ、軽く頬を膨らませる。叶多くんは余裕綽々に笑って、ようやく手を離してくれた。

 照れくささをごまかすように仏頂面を作り、シナモンロールをぱくぱく口に運ぶ。

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