敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
「なぁ美来」
「なに?」
すっかり機嫌を損ねている私は、わざとそっけなく聞き返す。
「俺、明日も休みなんだ。このまま美来の恋人のフリをして、明日迎えに来る許嫁を追い払ってやろうか?」
「またからかってる……?」
「違うよ、俺はいたって真面目だ。美来、そいつと結婚したくないんだろ?」
「そうだけど、でも……」
いくら清十郎さんが嫌な奴でも、嘘をつくことは気が進まない。
それに、叶多くんと一時でも恋人のように過ごしてしまったら、別れる時につらくなってしえまうんじゃないだろうか。
……親の都合で無理やり引き離された、八年前のように。
俯いて考え込んでいると、テーブルに出していたスマホが震える。
受信したメッセージの差出人は、またしても清十郎さんだった。
【読んだのに返信しないとはどういうことだ。さっさと居場所を教えろ。それと、明日はきっちり俺に謝罪してもらうからな】
高圧的な文章に、思わず眉根がぎゅっと中央に寄る。