敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
【気をつけろよ。それと、帰ったらゆっくり休んで】
優しい気づかいに【ありがとう】と返して、ふう、と息をつく。
離れていても、こうして連絡は取り合えるんだもの。二カ月くらい頑張れるよね……。
スマホの中に叶多くんがいるわけではないけれど、なにげないメッセージだけでも勇気づけられた気がして、メッセージを送信した後も私はしばらくスマホを両手で握りしめていた。
夕方五時頃、実家に到着した。閑静な住宅街の中でもひときわ大きな西洋風の屋敷だ。
重厚な門の前でインターホンを鳴らし、対応したお手伝いさんに帰宅を告げる。清十郎さんも一緒だと告げ、車が中に入れるように門を開けてもらった。
車で庭を抜けた先にある駐車場に車を停め、正面玄関から建物の中へ入る。
すると、巨大な玄関ホールの中心にあるらせん階段から、シンプルな紺の襟付きワンピースとエプロンを纏った我が家の家政婦が、焦った様子で降りてきた。
「お帰りなさいませ、美来様……! 突然お姿が見えなくなったのでとっても心配していたんですよ」
「心配かけてごめんなさい、泉美さん。もう黙っていなくなったりしないわ」