敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~
私より三つ年上、清十郎さんと同じ二十七歳の京本泉美さんは、肩の上で切りそろえたボブヘア、色白で清楚な顔立ちが特徴の、住み込みの家政婦。
この家にはもうひとり年配の家政婦の綿貫妙さんという女性もいて、妙さんが炊事担当、年の近い泉美さんは私の身の回りの世話を担当している。
妙さんの姿が見えないのは、キッチンで夕食の支度をしているからだろう。
私の母は仕事をしていないものの、趣味のテニスやお茶の稽古に忙しくしていて、家事は一切ノータッチ。
広い家の掃除や洗濯、その他の雑務も妙さんと泉美さんが協力して行ってくれており、ふたりとも八束家には必要不可欠な存在だ。
「お荷物、部屋までお運びしますね」
「それなら自分でできるわ。それより、清十郎さんにお茶をお願いできる?」
「かしこまりました。では藤間様、こちらへ」
泉美さんと清十郎さんは、階段下の廊下を通ってリビングの方へ消えていく。
私はキャリーケースを持ち上げて階段をのぼり、二階の自室へと運んだ。