敏腕外交官は傷心令嬢への昂る愛をもう止められない~最上愛に包まれ身ごもりました~

「ちょっと落ち着いてよ。冷静に話し合いましょう?」
「落ち着いていられるわけがないだろう、美来。私は、父親として恥ずかしい。藤間くんという許嫁がありながら、彼を裏切り、海外で不貞を働くような娘に育てた覚えはない……!」
「不貞って……違うわ。私は、真剣に彼を愛しているの」

 父に負けじと、思わず立ち上がって反論する。私たちの言い合いを聞きつけたのか、泉美さんと妙さんも、リビングの端で成り行きを見守っていた。

 しかし父にたじろぐ様子はなく、眉間の皺をますます深める。

「一日や二日一緒にいただけで、真剣な愛が芽生えるわけがない。向こうだって遊びだったに決まっている」
「どうしてそう決めつけるの? 彼はそんな人じゃないわ……!」
「目を覚ますんだ美来。お前には、藤間くんという立派な相手がいるじゃないか」

 手のひらを清十郎さんの方へ向け、なんとか私を諭そうとする父。助けを求めるように清十郎さんを見ると、彼はスッと立ち上がって、私たちのそばに立つ。

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