悪役令嬢に転生した元絵師は、異世界でもマイペースを崩さない
翌日、とうとう舞踏会の当日がやってきた。

虹を見て前世を思い出した当時のキヨノは、悪役令嬢に転生してしまったことと、二度と千紘や滋子に会えないのではという感傷から、卒業式の断罪イベント回避に向けて、賢明に索を練っていた。

あの日から4ヶ月以上が過ぎた。

断罪の日は早まり、予定していた舞台とは異なるシチュエーションではあるものの、過去の友人達である仲間を手にし、一緒にこの日を迎えられたことは感慨ひとしおである。

攻略対象のどのルートでも、キヨノやアシゲール(滋子)が断罪される未来は乱立していた。

回避のための男装、断髪であったはずなのに、結局は攻略対象と婚約し、この日を迎えている。

なぜ、全員で同じ異世界、しかも自作したゲームの世界に揃って転生したのかはわからない。

だが、一人で乗り越えられなさそうなことも、みんなと一緒だったからこそ、乗り越えらると信じられる。

本物の悪役が転生してきたことは余計だったが、この国の未来には必要な捨て駒なのだろう。

キヨノは婚約者であるチヒロにエスコートされながら、舞踏会の会場に入場した。

二人を見つめる周囲の目は冷たい。

まるで犯罪者を見るかのように蔑んだ目だった。

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