花に償い

そうして見ていると、ぱくりと足の指を食べられた。

「えっ、やだ! 離して!」
「へ?」

もごもごと何か言っている。暴れるとシルクの寝間着の裾が捲れ、さっと手で押さえた。

「信じられない、この馬鹿犬!」

未だ足を掴んでおり、膝へキスをしてくる。

「もう、わかったから!」
「何をです?」

それは太腿へあがってくる。もっと、深いところへ。

自分で言っておいてすっとぼける馬鹿な犬。

「肇が一番だから! ずっと一緒にいるから!」

ふ、と笑う気配がした。それから太腿の内側の、下品に開かないと見えないような場所に吸いつかれた。

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