Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


「遼ちゃんの方が、手取り足取りいろいろ教えてあげたと思うけど?」


それを指摘されて、遼太郎は言葉を詰まらせた。

確かに、みのりは遼太郎に対して、日本史の知識だけでなく、勉強の仕方を一から教えてくれた。それは他教科にも通じるもので、遼太郎の成績は驚異的に伸びた。そのおかげで今の大学に入れたといっても過言ではない。

それだけではない。いつもみのりは尽きることのない賞賛と励ましをくれた。それは全てにおいて遼太郎の原動力となり、持続力となった。そして、ラグビーでも勉強でも、自分の納得のいく結果が残せ、人間としても成長できたと思う。


いつしか遼太郎は、みのりがくれたものと同じものを返したいと思うようになった。悲しい時には慰めたり励ましたり、嬉しい時には一緒に喜びあったりしたいと思うようになった。それはそのままみのりを想う気持ちとなり、遼太郎は〝恋〟というものを知った。

そして何よりも、自分よりも大切な存在がこの世にあることを教えてくれ、人を心から愛する感情を教えてくれた。


けれども、遼太郎はその心の内を表現することはなく、別のことを口にした。


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