Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
遼太郎は抱きしめられながら、みのりの言葉を黙って聞いた。それから体を起こして、みのりの顔を見つめる。そこにある涙を認めると、表情を微かに歪めて切ない目になった。
見つめる先にいる人が、愛しくて愛しくてどうしようもなくて、ただ胸が痛くなる。
耳へと伝うみのりの涙を唇で拭い、再び唇を重ねる。すると、体の奥底から溢れてくる想いを抑えられなくなって、再びその肌に唇を滑らせる。
この想いはあまりにも深くて強くて、言葉では伝えきれない。今、遼太郎が自分の想いを表現できるのは、この方法しかなかった。
再び始まった目眩く愛撫。狂おしいほどに遼太郎に愛されながら、みのりの脳裏に遼太郎の言葉が響き渡る。
『俺も死にます』
その言葉がただの喩えだとしても、みのりは体が震えてしまう。
大きすぎて深すぎる想いは、時として同じだけの落とし穴にもなり得る。強すぎる想いは判断を歪めて、遼太郎の可能性を狭めたり阻んだりするかもしれない。
想いに任せてフルスピードで突っ走ってると、何年か経って後悔することになるかもしれない。
それに、この想いに囚われてしまっている以上、既に遼太郎はみのりの望む〝自由〟ではない。