Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
遼太郎の盲目的なこの愛は、遼太郎のためにはならないのかもしれない。
そこまで思い至ると、涙がみのりの瞳を揺らし、また零れ出てきた。
こんなにも愛している人が、こんなにも自分を愛してくれているのに、こんなにも不安になるなんて……。
みのりはその不安を打ち消すため、すがるように遼太郎にしがみついた。遼太郎もみのりが求めてくれているのを感じ取って、キスも愛撫も深まっていく。
目の前の感覚に圧倒されて、不安が覆い隠されていく。こんな状態を、〝溺れている〟というのかもしれない。
——このまま、溺れて死んでしまってもいい……。
それほど、遼太郎の腕に抱かれて恍惚とする時間は、まるで永遠のようだった。この二人だけの幸せな瞬間のまま、時が止まってくれたらと思う。
何を犠牲にしても、みのりの中にあるこの想いもこの恋も自分から手放すことは出来なかった。
だけど、まだ遼太郎は何も成し遂げていない。遼太郎が自己実現を果たす中に、遼太郎にとっての真の幸せはきっとそこにある。
だから、広がっている未来のすべてを、自分に捧げさせるわけにはいかない。
遼太郎の未来と自由だけは……。
それだけは犠牲にすることはできない。何としてもそれだけは守りたかった。