Rhapsody in Love 〜二人の休日〜



まるで助けを求めるように、遼太郎はみのりを腕の中に閉じ込めた。

動揺を鎮めるために腕に力をこめると、みのりの体の温かさが遼太郎の体に沁み込んでくる。

みのりの花のような澄んだ匂い……。

ただじっとみのりを抱きしめて、この匂いに包まれていると、少しずつ心が落ち着いてくる。


——……強くならないと……!


遼太郎はまるで誓いを立てるように、自分に言い聞かせた。

みのりと恋人同士になれたとはいえ、これからもお互いの境遇の違いなど二人の間を阻むものは存在する。なかでも、みのりの12歳の年の差に対する考え方が一番の障害なのかもしれない。


みのりの考え方を否定しようとは思っていない。その年の差に対する考え方の中に、みのりの遼太郎に対する〝愛〟があるからだ。それが解っているから、胸が締め付けられるように苦しくなる。


きっとみのりはこれからも、今日と同じようなことを言うだろう。その時自分が弱いままだと、また同じことを繰り返す。
だから、すべてを受け容れられるように、何があっても動揺しないように、〝強くなる〟と遼太郎は心に決めた。


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