Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


「先生が言ってくれたおかげです。大学入る前、一緒にハンバーグ作った時に。……これも、〝宿題〟の一つだと思ってました」


〝宿題〟と聞いて、ピクリとみのりの体が反応する。

確かにこの料理は〝宿題〟の〝功〟の部分かもしれないが、その他の〝宿題〟では〝罪〟も大きかった。まだ子どもで素直で健気な遼太郎に、安易に〝宿題〟なんて言ってそれを課してしまったことを、今でもみのりは後悔していた。


「……前にも言ったかもしれないけど、遼ちゃんはもう生徒じゃないんだから、なんでも私の言う通りにしなくてもいいんだからね?」


目を伏せて、ほうれん草のソテーを食べながら、みのりが改って念を押す。
それを聞いて、遼太郎もご飯をかき込みながら、チラリとみのりへ視線を向けた。


「もちろん、いくら先生の〝お願い〟でも、ちゃんと自己判断してから行動することにします」


遼太郎は普通の会話のような受け答えをしたが、この言葉はみのりに対しての宣言のようなものだった。


——先生の言う通りにしてたら、そのうち俺はまた、先生から離れなければならなくなるかもしれない……。


絶対にそれだけは回避したい。そのためには〝絶対〟だったみのりの言葉に背くことも、覚悟の上だった。逆に、そのためにならば、なんだってやるつもりだった。


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