Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「うん。部活のコーチに来てくれてるって、俊次くんが言ってたから。いつまでも私が遼ちゃんを独り占めしてちゃ悪いな…って」
「別に俺が部活に行っても、大したことするわけじゃないんですけど……」
いつもの遼太郎らしい謙遜する言い方に、味噌汁の椀を手にしながらみのりは微笑んだ。
「遼ちゃんは江口先生とは視点が違うアドバイスをしてあげてるみたいだし、それはラグビー部のみんなにとってすごく意味のあることだと思うの」
「……俊次と、どんな話してるんですか……」
自分のいない所で、自分が話題にされていることに、遼太郎はなんだか変な気持ちになった。
「それに、そもそも部活に限らず、遼ちゃんは。こんな狭いアパートの中に閉じこもっているのは、もったいない人だよ」
優しい言い方でそんなふうに自分を評価してくれているのに、遼太郎はみのりの言葉の奥にあるものを感じ取って、少し心がざわついた。
昨日、古庄がみのりについて語っていた言葉を思い出す。
『人の気持ちを先回りしてまで考えてくれる、優しすぎる人だ』
多分、みのりが今遼太郎に投げかけた言葉も、そんなみのりの性分が言わせているのだろう。