Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「それじゃ、部活に行ってみます。今日の練習は2時からだったですよね?」
「うん。学校まで一緒に行く?」
みのりから訊かれて、遼太郎は考える。
「……先生と一緒に行ったら1時間待っとかないといけないんで、俺は少し遅れて出て、学校までランニングします」
「え!ランニング?!学校までけっこう距離あるけど?」
「正月に試合するから、体を作っとかないと」
「もしかして遼ちゃん、一昨日も走ってここに来たの?」
みのりの素直な問いかけに、遼太郎は優しい笑顔になった。
「手に持ってるケーキを崩さずにランニングできる方法があったら、教えてほしいですね」
確かに、遼太郎がここに来た時、手にはケーキの箱が携えられていた。
「そっか、じゃあタクシーで来たの?」
「はい」
みのりは納得したように頷いて、少し考える。そして、ご飯を一箸口に入れてから、再び口を開いた。
「……どっちにしろ、ケーキはめちゃくちゃになっちゃったけどね」
そのみのりのつぶやきを聞いて、遼太郎は思わず噴き出した。
遼太郎がそのケーキを買い求めた時には可愛らしいデコレーションがなされていたが、箱から取り出された時、それは見るも無残な状態だった。