Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「あんな…、スポンジとクリームが渾然一体となったケーキ、生まれて初めて食べましたね」
ククク…と、遼太郎が笑いを零しながらそう言うと、みのりは肩をすくめた。
「せっかく遼ちゃんが買って来てくれたのに……ごめんね。そう言えば、ちゃんとしたケーキ屋さんのクリスマスケーキだったけど、よく買えたよね。普通は予約してないと買えないでしょう?」
「あのケーキは、事前に予約してたんです。ずっと前からクリスマスの計画、企んでたんで」
それを聞いて、みのりは遼太郎をじっと見つめて、泣きそうな顔になった。だけど、唇を噛んで目を瞬かせて涙を堪えると、ニッコリと笑顔を見せた。
「遼ちゃんのおかげで、今まで生きてきた中で一番幸せなクリスマスだったよ」
みのりのこれまでの人生の中で、何人か〝彼氏〟がいたことは遼太郎も知っている。きっと彼らと一緒にクリスマスを過ごすこともあっただろう。それなのに、みのりは遼太郎が一番だと言ってくれた。〝彼氏〟だけではない、友達や家族と過ごすそれよりも、遼太郎と一緒の方が幸せだと言ってくれた。
みのりの言葉が心に沁みて、遼太郎の目の奥もじわりと熱くなった。