Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




そんな遼太郎の行為の一つひとつに、健気で真摯な心根が透けて見える。
やることに無駄がなく、段取りよく色んなことをこなせることは、遼太郎の長所の一つだと言ってもいい。それはこんな家事に限ったことではなく、きっと勉強でも仕事でも。

高校生の時にはそんな印象はなく、どちらかと言うと指示されたことだけしているようなタイプだったのに、いつの間にこんなに成長したのだろう。常に自分を高めようと意識していなければ、なかなかこんなふうに変われるものではない。こんな遼太郎になるのに、遼太郎自身はどれだけ努力をしたのだろう。


『先生に相応しい人間になりたいから……』


遼太郎はそう言うかもしれないが、みのりは自分自身をそんなに立派な人間だとは思っていなかった。
逆に、遼太郎が立派になりすぎて、みのりの方が彼に相応しくないと思うくらいだ。


そんなことを思っていると、胸がキュッと軋む。愛しさと切なさが混ざり合って、耐えられないほどに苦しくなってくる。

みのりはその苦しさと闘いながら、何とか食器を洗い終えはしたが、手を拭いて居間まで来た時、窓辺にたたずむ遼太郎の後ろ姿を見て我慢ができなくなった。


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