Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




この澄んだ瞳が曇らないように、みのりを守るためにも。
そして、もう二度とみのりが離れて行ってしまわないようにするためにも。


『結婚しましょう』


それは、遼太郎の本心を結晶にした言葉。
遼太郎の喉元にその言葉が()り上がってきて、今にも唇から溢れ出そうになる。


……だけど、やっぱり思いとどまった。


『何にも縛られず自由でいてほしい』


それもまた、みのりの本懐なのであれば、すんなり結婚を了承してくれるとは思えない。

今プロポーズしても、みのりを深い悩みの淵に突き落としてしまうだけだ。最悪の場合、『結婚はできない』と断言して、また離れていってしまうかもしれない。


——今はダメだ。先生が断れないような状況を作らないと……!


そのためにはまず、ちゃんと就職をして一本立ちしなければならない。みのりとの未来のためにも今はしばらくみのりの側を離れて、就職活動に本腰を入れなければならなかった。

遼太郎はキュッと唇を噛んで、改めて決意した。
とにかく今は、我慢のときだ。


プロポーズの言葉を語れない代わりに、遼太郎は唇を解き、首を傾けてみのりの唇にそれをそっと重ねた。


< 145 / 311 >

この作品をシェア

pagetop