Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりが微笑みながらそんなことを語っていると、お湯が沸いて、みのりはコンロの火を止めた。
ドリップケトルを手に、これからドリッパーへお湯を注ごうとした時、遼太郎が歩み寄って、背後からみのりを抱きしめた。
「…わっ!遼ちゃん、熱いから危ないよ」
みのりから忠告されても、遼太郎は腕を緩めず、いっそうそれに力を込めた。そこに込められたものを気取って、みのりもケトルを置いてその行為を受け入れる。
昨日の遼太郎は、相づちもろくに打たなかった。それからあんな、めちゃくちゃな抱き方もした。
それを〝宝物〟だと言ってくれるみのりに、遼太郎は胸がいっぱいになった。愛おしさだけでなく感謝の気持ちも上乗せされて、どんな言葉も今の感情を言い表せなかった。
「……遼ちゃん?コーヒーいらないの?」
なかなか両腕を解放してくれない遼太郎に、みのりが冗談交じりに声をかける。すると遼太郎も、
「いります」
と短く答えて、みのりの腰へと腕を巻きなおした。
みのりがドリッパーへ少しお湯を注ぐと、立ち上る湯気とともに、コーヒーの芳しい香りが広がった。