Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
自分の恋人はとても思慮深くて賢い人なんだと、尊敬する気持ちでいっぱいになった。
もちろん、江口先生が賢くないわけではないが、遼太郎は江口先生の指導で足りてないところをうまく補ってくれていると思った。
「体を鍛えたり、体に覚えさせておくことも大事だけど、ラグビーは特に頭を使うスポーツだからね。試合で勝つためには、戦術を考えて動けるように、だけど試合では戦術通りにいかないことも多いし臨機応変に常に考えて動かないとダメだから、遼太郎くんはそこのところを鍛えてくれてるのよ」
「お……」
俊次はびっくりしたような顔で、みのりを見つめた。こんな反応をされると、ラグビーをやったこともない自分が偉そうなことを言ってしまったのかと、ちょっと不安になってくる。
「……何?私、変なこと言った?」
「いや。みのりちゃん、兄ちゃんと全く同じこと言ってて、驚いただけ」
それを聞いて、みのりはますます嬉しくなった。
こんなところでも、遼太郎と繋がっていられたような気がした。
「そりゃあ、私にラグビーのこと教えてくれたのは遼太郎くんだもん。個別指導してたとき、その時間を割いて、ルールだって教えてくれたんだから」