Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
遼太郎は特に深い意味を勘ぐっていないようで、変に意識をしてしまった自分がバカみたいに思えてくる。冷静で大人な態度の遼太郎を見ていると、どっちが年上なのか分からなくなる。
みのりは息を抜いて、とりあえず気持ちを仕切り直した。
「あちこち怪我してるじゃない。服を着るなら、手当てしてからの方がいいでしょ?」
「え?あちこち?怪我してますか?」
あまり自覚のない遼太郎が自分の体を見下ろす。
「さっきシャワー浴びて唸ってたじゃない」
「たしかに。……でも、あそこ付近は怪我してないんで、パンツは穿いていいですか?」
「……あっ、あそこ…ってっ!!?」
みのりの顔が火が着いたみたいに、いっそう真っ赤になった。
そんな様子のみのりが本当に可愛くて、遼太郎はもっと意地悪を言ってからかいたくなってしまう。
遼太郎は思わず「プッ」と笑いをこぼれさせた。そして、抑えきれないその笑いはどんどん大きくなっていく。
「私のこと、からかってるんでしょ?パンツ穿くのは許してあげるから、穿いたらここに座って!」
みのりは苦し紛れにそう言って返す。そのみのりの憤慨した様子もやっぱりとても可愛くて、遼太郎はずっとこのやりとりを続けていたくなる。
パンツを穿いてみのりの前に腰を下ろしながら、
「パンツ穿くのに許可が必要なんですか?」
と、笑いを噛み殺して冗談めかした。