Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
でも、こんなふうに闘いで傷ついた遼太郎を癒してあげることは、みのりの念願でもあり、それが今現実となっている。みのりにとって、例えようもなく幸せな瞬間に違いなかった。
「こんなかすり傷は勉強なんてしなくても、誰でも手当てできると思うけどね」
みのりは小さく笑って、遼太郎の肘にある傷に絆創膏を貼る。
恥ずかしさをそんな言葉でごまかそうとしているみのりを、遼太郎は意識しないまま腕を伸ばしてその中に閉じ込めていた。
「…わっ!ちょっと、遼ちゃん?!」
驚いたみのりが、遼太郎の懐から声を上げた。
遼太郎はその行為を押し通すように、腕の力を強めた。
腕の中にいるみのりが、可愛くて愛おしくてどうしようもなかった。こんなにも愛しい人が、自分のことをこんなにも想ってくれているなんて、今でも夢のようだった。
このままキスをして、この愛しさを行為として余す所なく表現したくなる。
——いや、今日はまずい。我慢しないと……!
キスくらいなら大丈夫かもしれないが、その先の行為は『安静に』と言われている以上、やはり憚られた。キスをしてしまうと、その先を我慢できる自信はない。
みのりを抱きしめてギュッと力を込めることで、遼太郎はその衝動が通り過ぎてくれるのを待った。