Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「ここにも絆創膏貼る?」
「……任せます」
みのりは少し考えて、新たな絆創膏を手に取った。そして、ジッとしている遼太郎の頬にそれを貼り付ける。
ただそれだけのことにさえ、みのりの胸は高鳴ってしまう。ドキドキと大きくなる鼓動が遼太郎にまで聞こえてしまいそうだった。
「目立って気になるようだったら、後から取ってね」
遼太郎はみのりを見上げたまま、まっすぐな瞳で頷いた。
その眼差しに、みのりはもっと落ち着かなくなって、次に何をするべきか分からなくなる。
「……ほ、他にも傷はない?もう全部手当てした?」
動転している気持ちを隠すように、膝立ちになったまま遼太郎の体をあちこち見回した。
すると、改めて気づいてしまう。目の前にある遼太郎の美しさに。
首筋から肩にかけてのライン。たくましい腕。絶妙に盛り上がった胸の筋肉。そして、綺麗に割れた腹筋。
過度に鍛えられた嫌らしさはなく、自然と日常の生活の中で作り上げられた究極の肉体美からみのりは目を離せなくなる。
加えて、ところどころにある傷の痛々しさが、却って色っぽさを加えていて、みのりは固唾を飲んで動けなくなる。
「……遼ちゃんって……」
思わずみのりの唇から出てきた呟きに、遼太郎が首をかしげる。
「俺が、どうかしましたか?」
動かなくなったみのりに、遼太郎が声をかけた。