Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
みのりも遼太郎の頭を抱きしめて、キスを深める。愛しい人が今ここにいてくれて、愛を交わせることを、自分のすべてで感じ取りたいと思った。
息もつけないほどの狂おしいキスの後の抱擁は、息もできないほどだった。だけど、遼太郎はそのまま先には進んでくれない。
みのりは彼の首筋に顔を埋めて、自分の中にある欲求を、堪えきれずに零れさせた。
「……遼ちゃん?……あのね……、今どうしようもなく、したくなった……」
首筋にかかる息。囁かれたみのりの切なる想い。
遼太郎の全身に鳥肌が立った。否応なく体が反応して、自らも切望するみのりと同じ欲求を遂げたくなる。
このままみのりを抱き上げてベッドへ行くか、このラグの上で組み敷くこともできる。……だけど……。
遼太郎はその心の中の迷いを表すように、みのりをきつく抱きしめた。
——くぅうううー……やっぱり、ダメだ!!今は我慢せねば!!
遼太郎は歯を食いしばり、渾身の力でもって自分に言い聞かせた。
脳震盪の疑いがあって『安静に』と言われていることが、欲求にブレーキをかけた。
遼太郎にとっていつも一番大事なことは、みのりの安全だった。
「……先生。多分俺の方がすっごく『したい』って思ってるはずなんですけど、今日はやめておきましょう。『安静に』しとかなきゃならないんで」
抱きしめたまま、遼太郎がそう言ってみのりを諭した。