Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
——『三年生になっても頑張ってね!』って、その一言だけでいいんだから……。
それだけ言えたら会話の窓が開かれるかもしれない。もし、俊次がいつものように憎まれ口を返してきたとしても、それでもよかった。
愛が俊次の背中に向かって話しかけようとした時、突然大きな体に視界が遮られた。
愛の目の前で、小山という三年生が俊次の背後から肩を叩いた。
「よっ!俊次。お前、三年生になったら、今よりももっと本気出して頑張れよ!!」
送り出される方からの激励に、俊次も殊勝になって、その大きな肩をすくませた。
「今の俺には自慢できるものがコレしかないんで……」
俊次のその言葉に、小山も頷いて笑って応える。
「お前は色んな意味でホントに恵まれてるよ。背も高いし、足も速いし。お前が一年生の時、俺らを追い越してスタメンに選ばれたりしてたから、悔しい思いもあったけど。今思えば当然だったと思う。お前には生まれ持ったセンスというか才能があるんだから、それを活かさなきゃもったいない。ちゃんと本気で練習に取り組めば絶対本物になる。〝本物〟って、日本代表とかそのレベルだぞ?……とにかく、期待してるし応援してるから、頑張れよ!!」
小山の〝最後〟だからこそ語られる思いと励ましに、俊次は思わず目頭が熱くなった。生意気な自分のことを、こんなふうに評価してくれてるなんて思ってもみなかった。