Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




「仕込んだって、何を?俊次くんに何かしたの?」


その反応を見て、遼太郎の鳩尾にくすぐったい感覚がよぎり、口元がにやけてしまう。


「いや、ちょっと……俊次にガセネタを……」


「ガセネタ?嘘を言ったってこと?」


「嘘と言えば、嘘なんですけど。俊次にこう言ったんです。ラグビー部には、一番お世話になった受験生の先輩を抱きしめて激励するっていう伝統があるって……そして、それをすればその先輩は必ず合格するって……」


そんなことで合格できるほど受験は生易しいものではないことは、みのりが一番分かっているが、遼太郎の機転の効いたこの方便に、みのりは目を見開いた。

そう、この方便の目的は、愛が試験に合格することよりも、二人の仲を進展させることなのだ。


「遼ちゃん…!すごいっ!!なんて素敵な策略なの!」


感極まったみのりは、遼太郎の体に腕を回してギュッと力を込めた。
抱きしめられて遼太郎はもう、にやけるのを隠せなくなる。


「〝お守り渡す〟っていうのは、きっかけになるとは思うけど、もう一押し何かほしいと思って…。俺が考えた〝伝統〟を、俊次は絶対実行してると思います」


「え…、ホントに?俊次くん、大口叩く割りにはシャイなところがあるし…」


みのりのこの懸念を払拭するように、遼太郎は微笑んでみせる。




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