Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
酔っ払い
——多分、二次会だけじゃなくて、次も行っちゃったんだね……。
ミルクティーを飲み干してずいぶん経った頃、みのりは時間を持て余して、再び時計を見上げた。
「十一時……」
『遅くなる』と、遼太郎から連絡がないのは、きっと盛り上がっていて、時を忘れているのだろう。自分の方から連絡するのも、遼太郎の楽しい時間に水を差すように思われて、やめておいた。
しかし、刻々と時が過ぎ、日付が変わる頃になると、みのりは不安になってくる。
——まさか、何かあった?
遼太郎は、みのりが待っていることを知ってはずだ。もしかして連絡もできず、ここに来ることもできない事件や事故が起こってしまったのではないか。
ドキン!と不穏な鼓動とともに、そんな危惧がみのりの思考を占拠し始める。
みのりは自らのスマホを取り出して、遼太郎へ電話をしようと、遼太郎の名前を表示させる。
その時、玄関ドアがガチャガチャと音を立てて解錠され、バタン!と開いた。
「遼ちゃん?!」
みのりは反射的に立ち上がって、玄関に駆け寄る。
「なんだ。やっぱ、みのりちゃん家だったのか」
そんな言葉とともに、玄関の三和土にいたのは二俣だった。
「え?なんで二俣くん?」
驚きのあまり変な声を出し、みのりは目を丸くして棒立ちになる。