Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
すると二俣は、その大きな体の向こうに隠されていた遼太郎を、みのりに無言で示して見せてくれた。
遼太郎は目を閉じ、眠っているように二俣に体を預け、二俣の腕で抱えられていた。
「遼ちゃんが酔っ払って、ちゃんと帰れるか心配だったから、一緒に付いて来たんだ。タクシーの中で遼ちゃん、『家には帰らない』って主張し始めて『南部中学の方に行け』って言うから、どこに行くのかと思ったら……」
「酔っ払って……って、どのくらい飲んでるの?」
心配そうにみのりが遼太郎を覗き込む。
「さあ?どんくらい飲んだのかは、正確には分からないけど。酒豪の先輩に捕まって付き合わされてたから、無意識にずいぶん飲んでしまったみたいだ」
その事情を聞いて、みのりの顔がいっそう曇る。
「眠ってるの?」
「うん。いや、半分ね。さっきまで『南部中学』だの『橋の先にアパートがある』だのうるさかったんだって。……ほら、遼ちゃん!みのりちゃん家に着いたぜ?」
二俣はちょっと乱暴に遼太郎の体を揺する。すると、遼太郎はおもむろに目を開け、目の前にいるみのりを見て幸せそうに微笑んだ。
「……先生!!会いたかったですっ!!」
そう叫ぶと、なんの躊躇もなく、みのりを抱きしめる。遼太郎は酔っ払って力加減ができないのか、みのりはキュッと苦しいくらいに抱きしめられた。
二俣の存在を気にして、みのりが二俣に視線を送ると、二俣も眉根を寄せながら顔を赤らめる。