Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「と、とにかく、遼ちゃん。靴脱ごうか」
抱きしめられながら、みのりが遼太郎を諭す。しかし、遼太郎は聞こえていないのか、
「せんせー!!」
と、抱きしめたまま動こうとしないので、二俣が大きなため息をついた。
「ああ、もう!しょうがねえなぁ!!」
と言いながら、二俣は屈んで遼太郎の靴を脱がしてくれた。
遼太郎は二俣の存在はとっくに忘れてしまっているらしく、みのりの顔を両手で包んでジッと見つめた。
「先生?俺がいなくて、寂しかったですか?」
その優しい瞳、トロンとした表情を見て、みのりも思わず微笑んでしまう。
——わあ。遼ちゃんって、酔うとこんな感じなんだ。可愛いっ!
ついついそんなことを思っていると、
「んんんん!」
と、二俣の咳払いが聞こえた。
「あ、二俣くん。上がって、お茶でも飲んで行って?」
みのりのその誘いを聞いて、二俣は即座に首を左右に振った。
「とんでもない!こんなトコ居られねーよ!」
「え?」
「いや、悪い意味じゃなくて!タクシー待たせてっから、俺、もう行くわ」
「だったら、タクシー代渡すから、ちょっと待って」
そんな会話は耳に入っていない遼太郎が、もう一度みのりの顔を両手で挟み、同じ問いを繰り返す。
「先生。俺がいなくても……寂しくなかったんですか?」
「は?寂し……?」
遼太郎に気を取られているみのりに、二俣は言葉を続ける。