Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
今ここに遼太郎がいてくれたら、待ち続けていた時間の落ち着かない感覚なんて、どうでもよくなってくる。
遼太郎の懐から遼太郎を見上げると、遼太郎もみのりをジッと見つめて見下ろしていた。そしてまた、幸せそうにニンマリと笑みを溢れさせ、
「先生っ!!めっちゃ可愛いっ!!可愛すぎますっっ!!」
と言いつつ、再びガバッと力いっぱいみのりを抱きしめる。
——ダメだ、こりゃ。完全に酔っぱらってるわ……。
みのりは苦笑いしながら、遼太郎のなすがままに抱きしめられる。この息苦しさが、遼太郎が今ここにいてくれる幸せの証明みたいなものだった。
しばらくして、遼太郎の腕の力が緩み、息苦しさが楽になってくる。それに伴い、みのりの体にずっしりと重さの負荷がかかってきた。
「……遼ちゃん?」
頭を動かして様子を確かめてみると、遼太郎の目は閉じられ、眠る態勢に入りつつある。
「遼ちゃん、まだ寝ちゃダメよ。せめてベッドまで自分で歩いて」
このままここで遼太郎に倒れられたら、みのり一人の力では遼太郎を寝床まで運べないだろう。
みのりは遼太郎を抱きしめ、その重さに耐えながら、一歩ずつ後向きに歩く。遼太郎はみのりを抱きしめるかたちで凭れたまま、一歩ずつ足を前に出す。
「あああ、遼ちゃん、頑張って自分で立って!……どうしよう。後ろにひっくり返っちゃう…!」