Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
甘く切ない夜
遼太郎の瞼は、何の前触れもなしに突然パチっと見開かれた。
覚醒直後、自分が眠っていたことも自覚できなかった。体が横たえられていることで、今自分が目覚めたことに気がつく。
気づいた後も、頭の中が混乱している。
ほのかな明かりに照らされて見える室内は、東京のアパートの部屋でもなく、実家の自分の部屋でもない。チェストの上のランプがぼんやりと視界に入り……、
——ああ、昨日はクリスマスイブで、先生のアパートに泊まったんだった……。
遼太郎はようやくそれに気づくことができた。幸せな感覚が満ちてきて、噛み締めるように再び目を閉じる。
「…………?」
しかし、何か違和感がある。
確かに、〝昨夜〟はみのりと抱き合ってそのまま眠ったのに、今はしっかりと服を着ている。
意識ははっきりしてるのに、頭が冴えない。うつ伏せの体勢のまま冴えない頭で、目を閉じたまま違和感の源を探す。
——……あ!今日はクリスマス……じゃない!
遼太郎は目を見開いて、やっと現実に気がついた。
頭の中の霧が一瞬にして晴れ、昨日の出来事が頭の中で再生される。
——俺、酔い潰れてしまったのか……。
それでも、どうにかして自宅ではなく、みのりのアパートの方へ帰り着いたらしいが、細かいことは全く思い出せない。
——きっと先生に迷惑かけて、みっともないとこ、見せてしまったな……。
恥ずかしさに耐えきれなくなって、遼太郎は枕に顔を埋めた。