Rhapsody in Love 〜二人の休日〜




みのりはベッドから体半分をはみ出させ、布団も満足にかかっておらず、体を縮こまらせている。


「…えっ…!」


遼太郎は慌ててみのりを抱きかかえて、ベッドの真ん中へと寝かせ直す。


「寒かっただろうに……俺のせいで、すいません……」


遼太郎が温めていた場所で、ようやく温もりに包まれたみのりは、眠りながら満足そうなため息をもらした。それを見て、遼太郎も安心して息をつく。


みのりの寝顔はもう何度も見ているのに、いつも吸い込まれるように見つめてしまう。そして、決まって喉元に、甘いような切ないような感覚が迫り上がってきて苦しくなる。

この苦しさは、みのりを抱きしめたら少しは治まるが、逆にもっと苦しくなってしまうこともある。抱きしめるだけで終われなくなることもあり、こんなにも安らかに眠っているところを邪魔するわけにはいかない。


——先生も昨日は子ども達と遊んだり、ふっくんや俺とランパスしたり……、よく動いたから疲れましたよね。


極めつけが、正体なく酔っ払った遼太郎の世話だ。遼太郎は自分の足でこのベッドまでたどり着いたのかどうかさえ、覚えていなかった。


——いったい…、どんな醜態を先生に晒してしまったことか……。


また同じことを考えて、恥ずかしさで顔が熱くなる。同時に、どんな迷惑をかけてしまったのかと青ざめて冷えてくる。何とも言えず耐えがたい感覚になって、情けない自分を一発ぶん殴ってやりたくなってくる。


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